膝の痛み(側面)の原因を徹底解説!病院に行く前に知っておきたい7つのポイント

膝の側面に痛みを感じると、日常生活にも支障が出て不安になりますよね。この痛み、一体何が原因なのでしょうか? この記事では、膝の側面の痛みの原因を7つに絞って詳しく解説します。変形性膝関節症やランナー膝、鵞足炎など、それぞれの痛みの特徴やメカニズムを分かりやすく説明しているので、自分の痛みに当てはまる原因を見つけやすくなっています。さらに、痛みに対する適切なセルフケアの方法や、専門家への相談が必要なケースについてもご紹介します。この記事を読めば、膝の側面の痛みに関する不安を解消し、適切な対処法を理解することができます。

1. 膝の痛みの側面にフォーカス!

膝の痛みといっても、痛む場所は様々です。中でも、膝の側面の痛みは、日常生活での動作やスポーツ活動に大きな支障をきたすことがあります。この章では、膝の側面の痛みについて詳しく解説していきます。

1.1 そもそも膝の側面はどこ?

膝の側面とは、膝のお皿(膝蓋骨)の両脇の部分を指します。内側を内側側副靭帯、外側を外側側副靭帯が支えています。これらの靭帯や、その周囲の筋肉、腱、滑液包などが痛みの原因となることがあります。

膝の構造を理解することは、痛みの原因を特定する上で非常に重要です。膝関節は、大腿骨(太ももの骨)、脛骨(すねの骨)、膝蓋骨(お皿)の3つの骨で構成されています。これらの骨の表面は関節軟骨で覆われており、滑らかな動きを可能にしています。また、関節の周囲は関節包という袋状の組織で包まれており、関節液が分泌されて潤滑油の役割を果たしています。さらに、関節を安定させるために、様々な靭帯や筋肉が存在しています。

1.2 膝の側面の痛みの特徴

膝の側面の痛みは、その原因によって様々な特徴があります。例えば、鋭い痛み、鈍い痛み、ズキズキする痛み、 burning sensation(焼けるような痛み)など、痛みの種類も様々です。また、痛みは常に感じる場合もあれば、特定の動作をした時だけ感じる場合もあります。さらに、膝の曲げ伸ばし、階段の上り下り、長時間の歩行などで痛みが増悪することもあります。

痛みの種類 考えられる原因
鋭い痛み 靭帯損傷、半月板損傷
鈍い痛み 変形性膝関節症、鵞足炎
ズキズキする痛み 炎症性の疾患(関節リウマチなど)
焼けるような痛み ランナー膝(腸脛靭帯炎)

痛みの特徴を把握することで、原因を特定しやすくなります。ご自身の痛みの特徴をメモしておくと、医療機関を受診する際に役立ちます。

2. 膝の側面の痛みを引き起こす7つの原因

膝の側面の痛みは、様々な原因で引き起こされます。ここでは、代表的な7つの原因について詳しく解説します。

2.1 変形性膝関節症

変形性膝関節症は、加齢や肥満、遺伝などが原因で関節軟骨がすり減り、炎症や痛みを引き起こす病気です。初期には膝の内側に痛みが出ることが多いですが、進行すると外側にも痛みが出現することがあります。

2.1.1 変形性膝関節症による膝側面の痛みのメカニズム

軟骨のすり減りにより、骨同士が直接ぶつかることで炎症が生じ、周辺組織にも影響を及ぼすため、膝の側面にも痛みが生じます。また、O脚変形が進行すると、膝の外側に負担がかかりやすくなり、痛みが強くなることもあります。

2.2 ランナー膝(腸脛靭帯炎)

ランナー膝は、正式には腸脛靭帯炎といい、太ももの外側から膝の外側にかけて伸びる腸脛靭帯と大腿骨外側上顆が擦れ合うことで炎症を起こし、痛みが発生する状態です。ランニングやジャンプなど、膝を繰り返し曲げ伸ばしする動作によって引き起こされやすいです。

2.2.1 ランナー膝の特徴的な症状

ランナー膝では、膝の外側に痛みを感じます。特に、走ったり階段を上り下りしたりする際に痛みが強くなります。また、安静にしていると痛みは軽減することが多いです。膝の屈伸時にゴリゴリという音が鳴ることもあります。

2.3 鵞足炎

鵞足とは、膝の内側にある縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉が付着する部分のことで、ここに炎症が起こることを鵞足炎といいます。ランニングやジャンプなど、膝に負担がかかる動作を繰り返すことで発症しやすくなります。

2.3.1 鵞足炎と他の疾患との見分け方

鵞足炎は膝の内側に痛みを感じますが、膝の曲げ伸ばしや、鵞足部に直接圧力を加えると痛みが強くなるのが特徴です。変形性膝関節症やランナー膝と症状が似ている場合があるので、鑑別が必要です。

2.4 半月板損傷

半月板は大腿骨と脛骨の間にあるC型の軟骨で、膝関節のクッションの役割を果たしています。スポーツや転倒などによって損傷することがあります。

2.4.1 半月板損傷の程度と痛み

半月板損傷の程度は様々で、軽度の損傷であれば痛みは軽微ですが、重度の損傷になると強い痛みや膝の引っかかり感、ロッキング(膝が動かなくなる)などの症状が現れることもあります。損傷の部位によっては、膝の側面に痛みが出ることもあります。

2.5 靭帯損傷(側副靭帯、十字靭帯)

膝関節には、関節を安定させるために側副靭帯と十字靭帯という靭帯があります。スポーツや転倒などによってこれらの靭帯が損傷することがあります。側副靭帯は膝関節の内側と外側にあり、十字靭帯は膝関節の前後方向の安定性を保っています。側副靭帯損傷では、損傷した側の膝の側面に痛みや腫れが出現します。十字靭帯損傷では、膝の不安定感や痛み、腫れが生じます。

2.6 関節リウマチ

関節リウマチは、免疫の異常によって関節に炎症が起こる病気です。全身の関節に症状が現れることがありますが、膝関節にも炎症が起こり、痛みや腫れを引き起こすことがあります。

2.7 その他、膝の側面の痛みを引き起こす原因

上記以外にも、膝の側面の痛みを引き起こす原因はいくつかあります。

2.7.1 お皿のズレ、腫瘍など

原因 症状
お皿のズレ(膝蓋骨脱臼/亜脱臼) 膝のお皿が本来の位置からずれることで、膝の痛みや不安定感を引き起こします。
腫瘍 良性腫瘍や悪性腫瘍が膝関節周辺に発生することで、痛みや腫れが生じることがあります。

これらの症状が現れた場合は、医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。

3. 膝の側面の痛みに対するセルフケア

膝の側面の痛みを感じた際に、ご自身でできるケア方法をご紹介します。ただし、これらのセルフケアはあくまで一時的な対処法であり、痛みが続く場合は医療機関への受診をおすすめします。

3.1 応急処置:RICE処置

急性の痛みが出た直後には、RICE処置が有効です。RICE処置とは、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の4つの処置の頭文字をとったものです。

処置 内容 目的
Rest(安静) 痛む足を動かさないように安静にします。 炎症の悪化を防ぎます。
Ice(冷却) 氷水を入れた袋などをタオルで包み、患部に15~20分程度当てます。これを数時間おきに繰り返します。 炎症を抑え、痛みを和らげます。
Compression(圧迫) 弾性包帯などで患部を適度に圧迫します。締め付けすぎないように注意してください。 腫れや内出血を抑えます。
Elevation(挙上) クッションなどを使い、痛む足を心臓より高い位置に上げます。 腫れや内出血を抑えます。

RICE処置を行うことで、炎症の悪化を防ぎ、痛みを軽減することができます。

3.2 ストレッチで痛みを和らげる

痛みが少し落ち着いてきたら、ストレッチを行うことで、筋肉の緊張をほぐし、痛みを和らげることができます。ただし、痛みがある場合は無理に行わず、痛みのない範囲でゆっくりと行いましょう。

太ももの外側の筋肉(腸脛靭帯)のストレッチは、ランナー膝の予防や改善に効果的です。立った状態で、伸ばしたい側の足を後ろにクロスさせ、上体をクロスさせた足と反対側に倒します。この時、伸ばしている側の足の外側に張りが感じられれば、正しくストレッチできています。

また、ハムストリングス(太ももの裏側の筋肉)のストレッチも効果的です。床に座り、片方の足を伸ばし、もう片方の足を曲げます。伸ばした足のつま先を両手で持ち、上体を前に倒します。太ももの裏側に張りが感じられれば、正しくストレッチできています。

これらのストレッチは、1回につき20~30秒程度、数回繰り返すのが効果的です。痛みが強い場合は、無理に行わないようにしてください。

3.3 日常生活での注意点

日常生活においても、膝への負担を軽減するよう心がけることが大切です。以下に具体的な注意点をご紹介します。

  • 長時間の立ち仕事や歩行を避ける:どうしても必要な場合は、休憩を挟むようにしましょう。
  • 重いものを持ち上げない:特に膝を曲げた状態で重いものを持ち上げるのは避けましょう。
  • 階段の上り下りは手すりを使う:膝への負担を軽減することができます。
  • 適切な靴を選ぶ:ヒールが高すぎる靴や底が薄い靴は避け、クッション性のある靴を選びましょう。
  • 体重管理をする:肥満は膝への負担を増大させるため、適正体重を維持するように心がけましょう。

これらの点に注意することで、膝の痛みを悪化させずに、日常生活を送ることができます。

 

5. 膝の痛み(側面)の原因を解説!医療機関を受診する目安

膝の側面に痛みを感じた時、どの程度で医療機関を受信するべきか悩まれる方も多いのではないでしょうか。自己判断で放置してしまうと、症状が悪化したり、回復が遅れる可能性もあります。ここでは、医療機関の受診を検討すべき目安について解説します。

5.1 我慢できないほどの痛み

痛みの程度は人それぞれですが、日常生活に支障が出るほどの強い痛みの場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

特に、安静時や夜間にも痛みがある場合は、重篤な疾患の可能性も考えられます。

5.2 痛みが長引く場合

2週間以上痛みが続く場合も、医療機関の受診をおすすめします。自然治癒する見込みが低く、適切な治療が必要な可能性が高いです。

痛みが慢性化している場合も、一度専門医に相談してみましょう。

5.3 腫れや熱感が強い場合

膝の側面に腫れや熱感、赤みを伴う場合は、炎症が起きている可能性があります。感染症や関節リウマチなどの疑いもあるため、速やかに医療機関を受診しましょう。

5.4 歩行困難な場合

膝の痛みが原因で歩行が困難な場合、骨折や靭帯損傷などの可能性があります。無理に歩行を続けると症状が悪化することがあるため、すぐに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けましょう。

症状 受診目安
我慢できないほどの強い痛み すぐに受診
安静時や夜間にも痛みがある すぐに受診
2週間以上痛みが続く 受診を検討
痛みが慢性化している 受診を検討
腫れや熱感、赤みを伴う すぐに受診
歩行が困難 すぐに受診

上記の目安はあくまで参考です。少しでも不安を感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、専門医に相談することをおすすめします。早期発見・早期治療によって、症状の悪化を防ぎ、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

6. まとめ

膝の側面の痛みは、変形性膝関節症やランナー膝、鵞足炎など、様々な原因で引き起こされます。この記事では、7つの代表的な原因とそれぞれの症状、セルフケアの方法、受診の目安について解説しました。痛みを感じたら、まずは安静にし、RICE処置を試してみましょう。痛みが長引く場合や、腫れ、熱感、歩行困難などの症状がある場合は、速やかに整形外科、リウマチ科、ペインクリニックなどの医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。自己判断で放置すると症状が悪化することもありますので、注意が必要です。この記事が、あなたの膝の痛みの理解と適切な対処の一助になれば幸いです。

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